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【猫】トルコのオッドアイの白猫、“純血”のヴァン猫とは? オッドアイと白い毛の遺伝的な関係に迫ります。


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Point
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純血のヴァン猫とは?

純血のヴァン猫を保護することの重要性を主張しているトルコのヴァン猫保護センター。その白さと、青色と黄色のオッドアイのみならず、泳ぎが得意なこと、顔の丸さや尻尾の長さなど、純血のヴァン猫の証しとして定義されています。

保護施設で生まれた “純血の定義” に当てはまらないヴァン猫はどうなる?

しかし、施設で生まれる猫の中にも、オッドアイではなかったり、真っ白ではなかったりと、純血の定義に当てはまらない個体も生まれてきます。そういった仔猫たちが、動物愛護家の元に譲渡されていきます。

しかし譲渡先は、同センターの管理区域内に限定されており、譲渡されたヴァン猫にはIDカードが発行され、第三者への譲渡・販売は禁止。海外への持ち出しも許されていません。

もちろん、同センターはアフターケアを欠かすことはなく、何か問題があった場合には、飼い主たちからの相談を受け付けてくれるという。

ヴァン猫の存在に疑問を投げかける声

けれども、ヴァン猫の存在に疑問を投げかける声も囁かれています。例えば『ターキッシュアンゴラ協会』は、ヴァン猫保護センターの主張を「生物学的・科学的な根拠に乏しい」とし、ただネコの見た目の美しさだけを闇雲に追い求めた間違った保護活動なのではないかと疑問を呈している。

また、オッドアイを持つ猫は、生まれながらにして耳が聞こえないことが多い。「その障がいを無視して、オッドアイの猫を生み出し続けることは間違っているのではないか」とも述べている。

純血だろうが、そうでなかろうが、ネコの命の価値には全く変わりはない。さて、ヴァン猫という品種は本当にいるのだろうか?

オッドアイ虹彩異色症

左右の目の色が違う虹彩異色症のことを、オッドアイと呼びます。「オッド(Odd)」には、奇数、不揃い、半端な、片方のなどの意味があります。

オッドアイ虹彩異色症)とは、左右の眼の虹彩色が異なっていたり、ひとつの瞳の虹彩の一部が変色していることです。何色と何色といった決められた組み合わせはありません。

その色の組み合わせは、片方が青色で、もう片方が橙色、黄色、茶色、緑色のどれかであることが通常です。一方が黄色で、他方が淡銀灰色あるいは淡青色の場合、日本では「金目銀目(きんめぎんめ)」と呼ばれ、縁起の良いものとして珍重されてきました。

オッドアイを有する猫は、どのような毛色の個体にも存在するものの、白猫に特に多く、いわゆる純血種だと、ターキッシュバン、ターキッシュアンゴラ、ジャパニーズボブテイルという3種に表れやすい。ジャパニーズボブテイルは、白い毛の面積が多い三毛に特に多く見られます。

白い毛と青い目の遺伝子

「白猫で青眼の猫」が聴覚に問題がでることがあり、オッドアイを有する猫は、青色の眼の側の聴覚に障害を持つことがあります。

シャム猫やヒマラヤンのようなポインテッドの猫は青色の目ですが、聴覚障害は発生しません。聴覚障害が起きるのは、ほとんどが白い毛の青色の目の猫で、これには遺伝学的な問題が関係しています。

突然変異で生まれる色素をまったく持っていないアルビノを除き、白い毛を作り出す遺伝子は二種類あります。

S遺伝子「白斑遺伝子」

ひとつは黒白や茶白などのように、部分的に白い斑を作るS遺伝子「白斑遺伝子」です。S遺伝子は、身体の一部分に白色の斑を作ります。

W遺伝子「白色遺伝子」

そして、もうひとつはすべての色を覆い隠して白色にしてしまうW遺伝子「白色遺伝子」。これは優性遺伝子なので、猫の毛の色を決定するすべての遺伝子の働きを押さえ、他の毛色を消してしまう(隠してしまう)などの意味から「マスキング遺伝子」(遮蔽遺伝子)などとも呼ばれます。

青い目と聴覚器官に強い影響を及ぼすのは、他のカラーを隠して全身を真っ白にしてしまうW遺伝子だと考えられています。

W遺伝子には、毛の色素の細胞(メラノサイト)がありません。メラノサイトの欠乏が目の色素にまで影響を及ぼすと、目が青くなります。青い目は、目の色が青いから青く見えるのではなく、目の色素が欠乏しているから青く見えるのです。

聴覚障害は、内耳の蝸牛(かぎゅう)内にある音の感受器官(コルチ器)がうまく形成されないと起こります。コルチ器も色素の細胞(メラノサイト)と同じ細胞から分化するので、W遺伝子によってメラノサイトが欠乏するとコルチ器も影響を受け、聴覚障害を起こすといわれています。

このように、被毛と虹彩と聴覚という3器官が形成される過程では、すべてにメラニン形成細胞(メラノサイト)が関わっています。W遺伝子がどの程度までメラノサイトを欠乏させるかで、白猫の目が青くなるか、耳が聞こえなくなるかに影響を及ぼすようです。

ブルーアイの白猫で聴覚障害があるのは60~80%程度。そしてブルーアイ以外の目色の白猫の10~20%にも、聴覚障害があるらしいといわれています。また、オッドアイのブルーアイ側の聴覚障害は、30%~40%ほどといわれています。このほか、若い頃はちゃんと耳が聞こえていたはずなのに、5~6歳を過ぎてから難聴になってしまったブルーアイの白猫もいます。

まとめ

このように白猫のブルーアイ、そして聴覚障害についてメカニズムがわかってきていますが、実際はもっと他の遺伝子が複雑に関わっていると考える研究者もたくさんいます。まだまだ猫の世界には不思議がいっぱい。これから、もっと新たな要因が発見されるかも知れません。

色素がない青い目、そして白い猫は直射日光に弱いので、白猫を飼っている方は、注意してあげて下さい。また、万一聴覚障害があったとしても、慣れた室内での生活にはさほど心配はありません。ただ、寝ているときなどにいきなり触ったりせず、猫のそばで足音を立てるなど振動で知らせる習慣をつけて下さい。ブルーアイ、そしてオッドアイの猫のとても美しく神秘的な瞳には、思わず引き込まれてしまいます。